VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

被災地の内と外(18)被災地の性風俗

被災地の内と外(17)」からのつづき・・・

by ぼそっと池井多 

 


公用車でラブホテル 被災地支援武雄市職員
風俗店から女性呼ぶ

 熊本地震の被災地支援に派遣された武雄市の30代の男性職員が、公用車でラブホテルに行き、風俗店から女性を呼んでいたことが20日、分かった。市は「支援に水を差し、被災者に不快な思いをさせる行為」として、職員を処分する。

 市総務部によると、職員は2日から9日まで熊本県西原村に派遣された。6日の勤務後の午後6時半ごろ、武雄市の名前が入り、被災地支援のステッカーを張った公用車で熊本市内のラブホテルに行き、デリバリーヘルス(無店舗型風俗店)から女性を呼んだ。目撃していた被災者が10日、武雄市に連絡した。

 市が調べたところ、職員は「寝られずストレスがたまっていた。女性は何もせず帰した。軽率な行為で申し訳ない」と事実関係を認めたという。

 市総務部は「公務員としてモラルを欠き、信頼を失墜する行為。被災者の方に不快な思いをさせ、おわびしたい」と謝罪している。懲罰委員会で協議して処分を決める(*1)
*1.佐賀新聞 2016年05月20日 21時24分
 
 
被災地支援とは何かを考えさせる記事である。
 
まず前提として、
私自身が性風俗という産業の
良き消費者ではないことを断っておかなくてはならない。
 
記事にある無店舗型デリヘルをふくめ、
性風俗のサービスを消費したことがないために、
性虐待被害者たちのグループ「セイブ」では、女性たちに
などとバカにされたものだ。
 
 
たしかに、知らない女性と何も心の会話をしないで
肉体だけで交流するということが気づまりに感じてしまう
私の性格のなせる技でもあるが、
しかし、これは
「居酒屋は好きだが、スナックには行かない」
というのと同じ、私の消費動向であり、
私が性風俗という産業に
とりわけ軽蔑や憐愍の視線を持っているためではない。
 
それだけに、
性風俗で働いていた」
というだけで、たちまちそういう患者が
悲劇のヒロインのように治療者の口から語られるようになり、
珍重や優遇をされていく、いまの私の治療共同体の風潮に
私はいちじるしい違和感をおぼえているわけである。
 
もちろん、性風俗という産業が、
さまざまな搾取や暴力の温床であることは知っているが、
そのことと産業そのものの存立とは
ほんらい切り離して考えられるべきだと思う。
 
 
 
 
 
 
武雄市は、
「信頼を失墜させる行為」
「被災者に不快な思いをさせる行為」
として、この職員を懲罰委員会で処分するという。
 
そうした判断の背景には、
 
被災地支援をする人は、
 聖人善人であるはずであり、
 そういう世間の期待を武雄市が裏切ることになったから」
 
という思考があるのではないか。
 
ここが、とんでもないことだと
私などは思うのである。
 
市の名前が書かれた車が
ラブホテルの駐車場に停まっていたために
武雄市の面目をつぶした、というのであれば、
イカーやレンタカーで行って、
のちに判明した場合はどうなのか。
 
さらに、公用車が駐車場に停まっているだけで、
デリヘルが呼ばれたとは、
ふつう外部の者はわからないだろう。
 
となると、通報した「被災者」とは、
ラブホテルの従業員ではないだろうか。
 
もし、そうであれば、顧客情報を勝手にもらす
とんでもないラブホテルだということになる。
 
そのラブホテルを利用する人は、
これから先、みんな職場や家庭に通報されてしまうのを
覚悟したほうがよいだろう。
 
とくに、不倫の人は気をつけて。
 
……。
 
どうも、この事件も
「不謹慎狩り」の延長である気がしてしかたがない。
 
被災地支援、派遣される職員にせよ、
自発的に無償ボランティアで行く者にせよ、
基本的に聖人善人がやることではない。
 
ふだん濁りに濁った生活を送っている
ふつうの人」が行くから支援なのである。
 
聖人がほどこしてくださるのは支援ではなく、
奇蹟や恩寵と呼ばなくてはなるまい。
 
私たちがザストから3年間、
宮城県の被災地へ通ったときは、
担当地区で膨大なストレスをかかえこみ、
帰り道、仙台の繁華街で発散して東京に帰ることが多かった。
 
さきほども申し上げたように、
私の場合、発散はデリヘルやソープではなく、
もっぱら居酒屋が舞台になるのだが、
不謹慎で無神経なことをやらかす果てになる点で同じだと思う。
 
それでも、東京に帰ってきて発散するよりも、
拠点都市である仙台で発散したほうが、
被災地の経済に貢献するからいいだろう、
くらいに考えたのだった。
 
いくら被災地の経済に貢献するといっても、
現地へ行って、
ただ飲み食いしておみやげだけ買って帰るのでは
「心のケア」を名乗る資格はない。
 
けれど、やるべきことをやったうえで
飲み食いしておみやげを買って帰るのは
なんら非難されることではないだろう。
 
もちろん自腹である。
 
この武雄市の職員も、
まさか公費でデリヘルを呼んだわけではあるまい。
 
 
 
 
 
武雄市がいうように、
ほんとうに被災者は「不快」に思うものなのだろうか。
 
そこで私は、
げんに熊本地震で被災していらっしゃる
ブロ友のカレエダさんにご意見をうかがってみた。
 
以下は、カレエダさんのお答えである。
 
この方は
8日間も西原村でボランティア活動しておられます。

被災地では夜も眠れず、
そのご苦労は大変なものだったと思います。

被災地に入らねばわからない苦労があります。
帰りにを買おうがを飲もうが
カレエダは構わないと思います。

酒ならカレエダもいっしょに飲んで
慰労してあげたいくらいです。

(……中略……)

帰りに遊んだからといって
被災地には何も問題はありません。

むしろお金を使っていただいて有り難い
と思います。

公用車を使ったことの是非は、
別の問題で武雄市が判断されることだと思いますが、
寛大な処置をされるものと思っています。

小さな瑕疵に捉われて本質を見失ってはならないと思います。
たとえ女遊びをしようが大酒を飲もうが
8日間も被災地でご苦労された30代の職員さんには、
カレエダは感謝敬意を捧げたいと思います。(*3)

[ カレエダ ] 2016/5/21(土) 午前 10:35 
改行・太字・色字は引用者による
 
 ・・・「被災地の内と外(19)」へつづく
 
  •               

    なんなんでしょうね~^_^;何が正しいか分からないけど、人の事非難している人達は、どれだけ素晴らしい生き方をされてるんだろう?人って結構間違えますよ^o^思いませんか?って聞きたくなります^o^ 削除

    myd*7 ]

     

    2016/5/22(日) 午前 0:51

     返信する
  •               

    myd*7さま コメントをどうもありがとうございます。

    おっしゃるとおりです。そういうことを非難している人たちに「それじゃあ自分はそういうこと、いっさいやってないのかよ」と言いたくなります。

    私のように下流老人への道まっしぐらで、どうやって「死後○か月で発見されました」を回避できるか頭を悩ませている者は、いろいろよけいな建前を鎧(よろい)のようにまとって生きている人々を見ると、ついついツッコミを入れたくなります。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/5/22(日) 午前 10:16

     返信する
  •               

    顔アイコン

    > チームぼそっとさん

    カレエダの感想を皆さんにお届けいただきありがとうございました。
    問題にされている職員さんが寛大に処遇されることを願っています。

    ・ 削除

    カレエダ ]

     

    2016/5/22(日) 午後 9:19

     返信する
  •               

    カレエダさま ご訪問どうもありがとうございます。
    やはり、熊本地震の現実の被災者でいらっしゃるカレエダさんがおっしゃる言葉は万鈞の重みがあります。引用させていただいてありがとうございました。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/5/22(日) 午後 10:12

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