VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

性虐待と主体(20)歯ブラシの行方

性虐待と主体(19)」からのつづき・・・

by ぼそっと池井多

 

 

ここへ来て、高畑裕太氏の強姦致傷容疑の事件が
面妖な展開を見せている。
 
高畑氏は9月9日、不起訴釈放となった。
 
それにともなって
担当弁護団から声明が発表された(*1)
 
*1.青年座映画放送
 
これを「男性による陰謀」などと言われてしまうといけないので、
あらかじめ申し添えておくと、
名前から判断するに、明らかに主任弁護士は女性である。
 
私どもは、高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません。

しかしながら、知り得た事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも、逮捕時報道にあるような、電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだ、などという事実はなかったと考えております。(*2)
*2.前掲サイト
太字・色字は引用者
 
これはなかなか重大なことを語っていると思う。
 
あの事件は、
「部屋に歯ブラシを持ってきて」
などと被害者の女性従業員を呼び出しておいて
強姦致傷におよんだということで
「女性を何だと思っているんだ」
と社会の義憤を買った。
 
自身もアメリカ兵に強姦された体験を持つタレント、
キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは、
歯ブラシをこの事件への抗議のシンボルとして、
世界中から画像を募りアート作品を発表した。

f:id:Vosot:20190714205036p:plain

出典は、性暴力問題にとりくんでいる
小川たまかさんを筆者とするYahoo!ニュースである。(*3)
 
 
また、フィッシャーさん自身も以下のように
歯ブラシで「NO」をかたどり、
「NO RAPE」という作品とともにメッセージを発信した。

f:id:Vosot:20190714205108p:plain

 

今日私はこの作品を描きました。
これは高畑裕太のレイプ被害者の方に捧げるものです。
私は今日沈黙してはいられませんでした。


(……中略……)

私はこのレイピストである俳優の母の涙は理解できません。
なぜ彼女は泣いているのですか? 
彼女の息子が獣のように被害者をレイプしたせいで、
その女性がいま味わっている生き地獄のために
泣いているのですか?
もしくは、彼女の息子が逮捕されたせいの涙ですか?
 (*3)
*3. 出典は*2に同じ
改行は引用者による
 
このように「歯ブラシ」が
「ストップ!ザ・レイプ運動」
ともいうべき流れのシンボルのようになっていたところ、
担当弁護士が
 
「部屋に歯ブラシをもってきて」
などという事実はなかった
 
と発表しているとなると、
これは、いろいろと考え直さなければならない問題が出てくる。
 
単にシンボルだけの問題ではない。
 
もし「歯ブラシをもってきて」という事実がないのなら、
いったいどのような経緯で
女性従業員は高畑氏の部屋に入ることになったのか。
 
部屋に入ってから
強姦致傷が起こるまでの時間はどのくらいであったのか。
 
そうした経緯が、罪の評価のために
きわめて重要な意味を持ってくるはずである。
 
ところが、そうした経緯を
被害者に聞くことはできないのが現状である。
 
担当弁護士も、
「他の関係者の話を聞くことはできません」
と書いている。
 
それがセカンド・レイプになるから、
という理由によるものであろう。
 
その理由づけは、けっしてわからないでもないし、
私もこれまで、この事件に関してもっともだと思ってきたが、
しかし、ここへ到って
加害者の高畑裕太氏自身が
「合意があるものと思っていた」
可能性が高いと、担当弁護士が書いているからには、
これまでの通りの解釈で
この事件をとらえることは
正しくないのではないか。
 
……。
……。
 
加害者が、真相を語ろうとすれば
それはセカンド・レイプだという。
 
被害者に、真相を語らせようとすれば、
それもセカンド・レイプだという。
 
結局、なんのことはない
セカンド・レイプという概念が、
マスメディアにとって都合のいい加害者像をつくりあげる
支え棒の役割を果たすようになっており、
真相を藪の中へ葬り去るために利用されているのである。
 
 
 
 
 
私はここで再び
「尊厳ある被害者」という概念を申し上げたい。
 
かねがねこのブログで
提唱させていただいている概念である。
 
被害者は、なにも「悪いから被害者になった」のではない。
 
ならば、自身にもっと尊厳と誇りをもって
みずからの被害を語ることを考えてよいと思うのである。
 
私たちチームぼそっとは、
被害者として、しかし、尊厳をもって語っている。
 
今回の事件も、被害者の方はそろそろ
尊厳をもってみずからの被害を語ってみてはいかがだろうか。
 
そして、周囲の者たちも
尊厳をもって本人が被害を語れるような環境をつくることを
考え始めてはどうか。
 
周囲が、
「被害者だから、被害者だから」
と当人を隠すことで、
逆に被害者の尊厳と誇りをうばっている局面へ
今回の高畑裕太事件は差しかかっていると思う。
 
 
 
  •        

    弁護士のあの発表がある前から、私はこの事件をこんな風に見ていました。

    それは夜間のビジネスホテルのフロントを何年か体験した人間の推測です。

    おそらく事件の起こった深夜の時間帯、フロンとは二人体勢で仕事していたに違いなく、もう一人がフロントに残っていたか、あるいは仮眠をとっていて一人だったことでしょう。

    そんな中、高畑から歯ブラシを持ってくるようにいわれる。被害者は誰もが振り返るほどの評判の美人だったそうですから、口説かれなれています。

    部屋に歯ブラシを持って来いと言われればピンとくる。曲がりなりにも高畑は芸能人ですから、口説かれることには、モテ女の矜持をくすぐられたことでしょう。

    携帯電話番号を書いたメモを渡されるとか、予定を聞かれるくらいは予測していたかもしれません。

    まさか、自分の職務中に、自分の働く職場でそんなことを仕掛けてくるとは思ってもみません。

    もし、そういう行為に至って、一定の時間フロントに戻って来なければ、相棒が探しに来て直ぐにバレる。また相棒が仮眠中で、フロントに誰もいない時間帯に何か起こったら、大問題になる。 削除

    痴陶人 ]

     

    2016/9/11(日) 午前 9:56

     返信する
  •        

    高畑は、酔っていたとはいえ、そんな誰にでもわかる想像力すら欠如していた。

    無理矢理事に及ぼうとする高畑に、被害者女性に残された道は、大声を上げて騒ぐしかない。騒いで人が来た。何していたと聞かれ、暴行されたというしかなくなる(暴行されたのは事実)

    多少の「すったもんだ」はあったでしょうが、後に弁護士が「本来起訴にさえならないような事件」というのはここでしょう。

    裸にしたとか、強姦に至ったことはなかったでしょうが、女性の職務中に女性の職場で事に至ろうとしたことは、相手の立場を考えようとせず、つまり、相手を「物」のように扱ったことは事実で、この部分で罰せられなくてはならないというのが私の考えでした。 削除

    痴陶人 ]

     

    2016/9/11(日) 午前 9:57

     返信する
  •        

    一部訂正です。

    弁護士の言ったのは、起訴にすらならないではなく、無罪すら主張できるでした。 削除

    痴陶人 ]

     

    2016/9/11(日) 午前 10:09

     返信する
  •        

    痴陶人さま コメントをどうもありがとうございます。

    担当弁護士曰く、

    「強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。」

    しかし、にもかかわらず、

    「仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。」

    ということは、強姦行為そのものがなかったと読めます。
    だとすれば、これは「セカンド・レイプ」という概念を利用して、世界中のメディアが加担した冤罪事件ということになると思うのです。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/9/11(日) 午前 11:11

     返信する
  •        

    なるほどそうかもしれません。

    ただ、高畑被告が、やはり相手の女性の主体を剥奪しようとしたことには間違いありません。

    高畑被告の事件の弁護士談に出てくる合意の上の行為だったというコメントは、それを出すことを被害者や被害者の弁護士も了承している事のはずです。

    〉「セックスは合意してくれたのだから、
    あとは何をやってもいいと思った」


    というような行為境界認識が、
    加害者男性たちに欠如していたのではないだろうか。

    これはぼそっとさんが「エロスの効率化」で述べられたことですが、

    ぼそっとさんが言われた東大生たちに対するこの(想像力の)欠如の指摘は、高畑被告にもいえます。

    効率化は、即物化に至りやすい。相手を物として見なす。

    東大生強制猥褻事件の被害者は、セックスまでは、許せたが、「頭に熱いカップラーメンを落としたり、
    陰毛をドライヤーで乾かしたり」までは許せなかった。

    高畑被告の事件は、もし被害者が同じビジネスホテルに泊まっている客の立場であれば、二人は何事もなく、一夜を過ごしたかもしれません。 削除

    痴陶人 ]

     

    2016/9/11(日) 午前 11:52

     返信する
  •        

    高畑被告は、相手が職務中の女性で、職場でそんなことをすれば、彼女がどんな社会的制裁を受けるか、その想像力が欠如していました。

    そして、相手を物として扱う罪は、セックスのあるなしの問題とは、本来別なはずですが、セカンドレイプを楯に、そういうことがあったかのように、読者の想像力を煽るマスメディアやフェミニストのやり口には私も嫌悪を覚えます。

    示談でうやむやにするのではなく、ちゃんと法廷に持ち込み、事実を明らかにした上で、性被害はなかったが、罪を罪として認める、その機会がないことには、高畑被告は、一生汚れたままの冤罪を背負って生きてゆく事になるでしょうね。

    言い逃れをするのではなく、また芸能活動を続けるか続けないかは別として、被害者女性ではなく、高畑被告自身が、自ら手で、その冤罪を晴らすべきだと思います。 削除

    痴陶人 ]

     

    2016/9/11(日) 午前 11:54

     返信する
  •        

    どう言う事何でしょうね~^_^;
    捕まった当初、彼自供してましたよね~。否認してないから面会も出来たのだし…なのにまるで何も無かった様な誤解を招く弁護士のコメント…^_^;被害者も含め何らかの思惑が働いた? 削除

    myd*7 ]

     

    2016/9/11(日) 午後 0:49

     返信する
  •        

    痴陶人さま

    東大生の事件と同じく「セックスを合意したのだから、すべてが許された」と考えて、何か乱暴なことをやって致傷した可能性もありますね。

    > 言い逃れをするのではなく、また芸能活動を続けるか続けないかは別として、被害者女性ではなく、高畑被告自身が、自ら手で、その冤罪を晴らすべきだと思います。

    それに尽きるといったところでしょう。それをやろうとすると、またセカンド・レイプだなどと言って口封じしようという動きが起こるかもしれませんが。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/9/11(日) 午後 1:08

     返信する
  •        

    myd*7さま コメントをどうもありがとうございます。

    まことに奇怪な成り行きです。

    そもそも「歯ブラシを持ってきて」という話が、どこから出てきたか、ですよね。

    たとえ高畑氏の自供によるものだとしても、myd*7さんもよくご存じだと思いますが、警察や検察は自分たちの思い描いたストーリーを容疑者に供述「させる」というのが常のようですから、あとで高畑氏が自分の弁護士に「歯ブラシもってきて、なんて言ってない」と語ったとしたら、そちらの方が信頼できるとも考えられます。

    母親である高畑淳子さんの会見で「被害者とされる方」という表現がつかわれて物議をかもしましたが、合意があったとなると、「メディアのあいだで勝手に被害者とされている方」という意味がこめられていたのかもしれません。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/9/11(日) 午後 1:19

     返信する
  •        

    そうかもしれませんね~^_^;
    だけど、私は当初からこの女性知人の男性に相談してこの事件が明るみに出たとかの報道がされていましたよね~。その時から私は女性がたかろうと思ってるのかな?って思っていました。女性もこんな事になるなんて想定して無かった?とか思ってたらこう言う結果になったので、なんだかな~^_^;って言うのが私の感想です。 削除

    myd*7 ]

     

    2016/9/11(日) 午後 2:43

     返信する
  •        

    myd*7さま ありがとうございます。
    なるほど、いわれてれば、被害者女性が最初に相談した男性の存在というのが、ネックかもしれませんね。その気になれば、その男性は、いくらでも事件の真相をねじまげて表に出すこともできる立場だったと思います。メディアの表にも出てこないのも気になります。

    担当弁護士が、「被害者」ではなく「関係者」の話が聞けていない、と声明でいっていますが、これは被害当事者ではない、その男性の存在をふくめて「関係者」としたのではないでしょうか。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/9/11(日) 午後 6:06

     返信する
  •        

    顔アイコン

    ぜひとも事実関係を明確にしてもらいたいですね。 削除

    zih*s*uppan*

     

    2016/9/11(日) 午後 8:52

     返信する
  •        

    zih*s*uppan*さま コメントをどうもありがとうございます。
    まさにおっしゃるとおりです。いくつもの重要な論点が含まれている事件なので、ぜひとも事実関係を明らかにしてほしいものです。 削除

    チームぼそっと

     

    2016/9/11(日) 午後 9:57

 

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