「性虐待と主体(20)歯ブラシの行方」
裕太さんが事件の起きた前橋市内のホテルにチェックインしたのは8月21日、映画『青の帰り道』の撮影のためだった。8月22日夜、被害女性と話を交わしたのは夜8時過ぎで、飲みに行くのだけれどいいお店はないですか、とフロントにいた女性スタッフに声をかけたのだった。映画関係者らと居酒屋とバーで飲んで裕太さんがホテルに戻ったのは深夜1時過ぎだったという。そこで再びフロントにいた女性と会話がなされた。
その中で女性は「群馬にはいつまでいるんですか」と問い、裕太さんが「明日帰ります」というと、「そうですか、残念ですねえ」などと語ったという。そして裕太さんはその女性を「部屋に来ませんか」と誘った。女性は「仕事中だから無理です。部屋に行って何をするんですか」などと話したという。
裕太さんはフロントにあった歯ブラシを部屋に持って来てほしい、5分後に405号室に来てほしいと誘って、一度自分の部屋に戻った。しかし、女性がやってくる気配がないため、2~3分後に再びフロントへおりた。そして再び女性を誘い、二人でエレベーターに乗って部屋へ戻ったのだった。女性は仮眠をとっていたもう一人の女性にメモを残してフロントを後にしたという。
エレベーターの中で裕太さんは女性にキスをした。そして降りた後、二人は気付かれないように部屋に入った。
「性虐待と主体(21)示談で混迷する高畑裕太事件」からのつづき・・・
by ぼそっと池井多
約一か月前、あれほど日本中で騒いでいた
高畑裕太氏強姦致傷容疑事件。
ブログ社会では、
高畑氏を強姦魔と決めつけたような
記事を出す人も多かった。
弊ブログは、9月11日の段階から
「これは冤罪ではないか」
という視点に転換させていただいた。
たとえば、以下はあるブロ友さんとのあいだで、
9月13日におこなったコメントのやりとりである。
ぼそっと池井多:
法学部ご出身の明晰な文人、B****さんとも思えない御記事です。
おっしゃる「バカな二世タレント」の主任弁護人が出した声明によりますと、
「強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。
(……中略……)
起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。」
とわざわざ言わでものことまで書いてあります。
すなわち、これは冤罪であったのではないでしょうか。
むしろ問題とすべきは、事実関係がよく確認できないままに強姦致傷の犯人を仕立て上げ、冤罪を共同制作したメディアや発信者たちではないでしょうか。
おっしゃる「バカな二世タレント」の主任弁護人が出した声明によりますと、
「強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。
(……中略……)
起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。」
とわざわざ言わでものことまで書いてあります。
すなわち、これは冤罪であったのではないでしょうか。
むしろ問題とすべきは、事実関係がよく確認できないままに強姦致傷の犯人を仕立て上げ、冤罪を共同制作したメディアや発信者たちではないでしょうか。
[ チームぼそっと ] 2016/9/13(火) 午前 11:31
> チームぼそっとさん
芥川の『藪の中』という小説を思い出しました。
強姦が絡んだ話で、証言がバラバラ食い違い何が真実かわからないという物語です。
私は今までの報道をもとに自分なりの推定でこの文を書きましたが、貴殿もまた、当事者の一方の代理人である弁護士の話に基づく推定にすぎません。同じ推定に基づくものでどちらが正しいなどとは判断できないと考えるべきでしょう。真実は藪の中です。
もちろん、将来冤罪であることが証明されれば、私の不明を恥じるにやぶさかではありません。が、おそらくそういうことにはならないでしょう。
芥川の『藪の中』という小説を思い出しました。
強姦が絡んだ話で、証言がバラバラ食い違い何が真実かわからないという物語です。
私は今までの報道をもとに自分なりの推定でこの文を書きましたが、貴殿もまた、当事者の一方の代理人である弁護士の話に基づく推定にすぎません。同じ推定に基づくものでどちらが正しいなどとは判断できないと考えるべきでしょう。真実は藪の中です。
もちろん、将来冤罪であることが証明されれば、私の不明を恥じるにやぶさかではありません。が、おそらくそういうことにはならないでしょう。
[ B**** ] 2016/9/13(火) 午後 7:36
約一か月が経って、
あの事件の真相はどのように明かされてきただろうか。
月刊『創』編集長、篠田博之さんの記事(*1)から抜粋する。
*1.「高畑裕太「強姦」報道の誤りは、
事件の夜、いったい何があったのか
裕太さんが事件の起きた前橋市内のホテルにチェックインしたのは8月21日、映画『青の帰り道』の撮影のためだった。8月22日夜、被害女性と話を交わしたのは夜8時過ぎで、飲みに行くのだけれどいいお店はないですか、とフロントにいた女性スタッフに声をかけたのだった。映画関係者らと居酒屋とバーで飲んで裕太さんがホテルに戻ったのは深夜1時過ぎだったという。そこで再びフロントにいた女性と会話がなされた。
その中で女性は「群馬にはいつまでいるんですか」と問い、裕太さんが「明日帰ります」というと、「そうですか、残念ですねえ」などと語ったという。そして裕太さんはその女性を「部屋に来ませんか」と誘った。女性は「仕事中だから無理です。部屋に行って何をするんですか」などと話したという。
裕太さんはフロントにあった歯ブラシを部屋に持って来てほしい、5分後に405号室に来てほしいと誘って、一度自分の部屋に戻った。しかし、女性がやってくる気配がないため、2~3分後に再びフロントへおりた。そして再び女性を誘い、二人でエレベーターに乗って部屋へ戻ったのだった。女性は仮眠をとっていたもう一人の女性にメモを残してフロントを後にしたという。
エレベーターの中で裕太さんは女性にキスをした。そして降りた後、二人は気付かれないように部屋に入った。
これらの取材結果が事実ならば、
あきらかに「合意の上で女性は部屋に入った」ことになる。
そして、その部屋は、
隣の部屋の物音が筒抜けになるような作りだった。テレビの音が聞こえるどころか、コンセントを抜き差しする様子さえわかると言われるほどだ。
つまり、強姦のような残酷なことが起これば、
両隣の部屋の宿泊者が気づくはずであると考えられる。

これが、なぜ
世界各国から抗議として歯ブラシの写真が集まってくるような
「歯ブラシ強姦致傷事件」へとなっていったか。
同記事は、そのあたりをこのようにレポートしている。
裕太さんは8月23日の午前5時前に寝ていたところを警察に踏み込まれて、前橋警察署へ任意同行され、午後1時40分に逮捕されるのだが、その間、どんな動きがあったかは次第に明らかになりつつある。
被害者とされた女性から話を聞いて、通報を行った元暴力団組長X氏は、自らホテルに乗り込み、同じホテルに宿泊していた映画関係者に詰め寄り、真夜中であるにもかかわらず、東京の裕太さんの事務所に連絡させている。事務所責任者と弁護士が現地に行けたのは朝になってからだが、弁護士が午後1時前に裕太さんに接見して事実を確かめる前に、前橋署の控室でX氏は表ざたになる前に示談金を用意することを事務所側に詰め寄っていた。
裕太さんは、午前中の事情聴取で「強姦していないと言ったって被害者女性が強姦されたと言っているのだから強姦罪は成立するんだ」と警察に説明され、容疑を認めたかのような調書をとられてしまう。
その後、午後1時前に弁護士が接見し、裕太さんに認否についての説明などをするのだが、午後1時40分に警察は逮捕状を執行し、マスコミに「本人も容疑を認めている」という説明を行ってしまう。それによってマスコミが一斉に動き出し、大騒ぎになっていった。
そして高畑さん側がどんどん窮地に追い込まれていくのを見て、X氏の要求額は1000万、さらには何千万という金額に跳ね上がっていく。
被害者とされた女性から話を聞いて、通報を行った元暴力団組長X氏は、自らホテルに乗り込み、同じホテルに宿泊していた映画関係者に詰め寄り、真夜中であるにもかかわらず、東京の裕太さんの事務所に連絡させている。事務所責任者と弁護士が現地に行けたのは朝になってからだが、弁護士が午後1時前に裕太さんに接見して事実を確かめる前に、前橋署の控室でX氏は表ざたになる前に示談金を用意することを事務所側に詰め寄っていた。
裕太さんは、午前中の事情聴取で「強姦していないと言ったって被害者女性が強姦されたと言っているのだから強姦罪は成立するんだ」と警察に説明され、容疑を認めたかのような調書をとられてしまう。
その後、午後1時前に弁護士が接見し、裕太さんに認否についての説明などをするのだが、午後1時40分に警察は逮捕状を執行し、マスコミに「本人も容疑を認めている」という説明を行ってしまう。それによってマスコミが一斉に動き出し、大騒ぎになっていった。
そして高畑さん側がどんどん窮地に追い込まれていくのを見て、X氏の要求額は1000万、さらには何千万という金額に跳ね上がっていく。
そして、最終的に1500万円で示談が成立したという。
となれば、これは、れっきとした冤罪ではないのか。
いまの日本社会は、
口先だけフェミニストっぽいことをいうのが、
文化人として生き残るためにはもっとも効率的なので、
そういう層が高畑氏強姦魔説へ
一挙になだれを打ったのだと思われる。
「被害者とされた女性」は、
元暴力団組長X氏に、
自分が高畑裕太氏とやったことを
はたしてどのように語ったのだろうか。
もし、和姦だったのなら、
それを強姦へ仕立て上げていったのは、
女性なのか、X氏なのか。
その女性がはっきりとした口調で
「私は、自分の意思でやったことだから」
とX氏に言ったなら、
このような事件にはならなかった、
ということはないのか。
社会も、マスコミも、
「被害者とされた女性」の加害者性を考えることを
タブー視しているのではないか。
いっぽう、たとえ冤罪でも、
スキャンダルが大きくなることを恐れてか
安易に示談に応じてしまった高畑氏側にも
問題があるとは思われる。
いざというとき、
人はスキャンダルを恐れず
最後まで戦わなくてはならない
という戒めを
この事件は私たちに残してくれたのではないだろうか。
私も通院している医療機関でレイプの冤罪をかけられたが、
冤罪をかけられる危険は、
私たち一人ひとりにあるのだ。
・・・「性虐待と主体(24)」へつづく