VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

貧困と人づきあい(57)「なりすまし」の禁じ手

貧困と人づきあい(56)」からのつづき・・・
by ぼそっと池井多
 
 
前回、
まで詳しく述べてきたように、
私のような人間が、
「ふつうの人」になりすまして、
市民社会へ潜入することには、
いくつものメリットがある。
 
しかし、何事も同じだが、メリットだけではない。
 
裏返しに、いくつものデメリットもある。
 
さらに、デメリットを克服する、いくつかのコツもある。
 
また、
 
「これをやっちゃあ、おしまいよ」
 
という禁じ手もある。
 
 
 
 
 
 
 
 
今回は、私のような者が
「ふつうの人」になりすますときの
「禁じ手」について述べておこう。
 
まず第一に、
「ふつうの人」、いわゆる「市民」の皆さんから
お金は一円もだましとってはいけない
という禁じ手である。

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ふだん、私たちが「なりすまし」と聞くと、
振り込め詐欺などで活躍する輩(やから)が連想される。
 
ただでさえ、「なりすまし」は評判が悪いのである。
 
これ以上、「なりすまし」の評判が悪くなると、
いよいよ私のようなひきこもりやアウトサイダーや反市民は、
市民社会に入っていけなくなる。
 
自分で自分の首を絞めるようなこととなる。
 
だから、「なりすまし」の評判を落とさないためにも、
私たちは「市民」の皆さんから
お金は一円もだましとってはいけないのである。
 
また、そもそも
 
「ひきこもりは社会性のないダメな人種」
 
というイメージを払拭するべく
 
「市民の皆さまから社会性を学ばせていただく」
 
ということで「なりすまし」をやっているのに、
お金をだましとってしまっては、
市民の皆さまのあいだに
 
「やっぱりひきこもりは社会性のないダメな人種」
 
という認識を広めることとなり、
元も子もないのである。
 
 
私の場合、むしろ、
商店街の人たちと居酒屋などに流れたときは、
会計の折に、まともに働いている市民である彼らよりも、
むしろ生活保護受給者である私のほうが端数を出して、
少し多く払うことがある。
 
 
なぜならば、こういうところでケチケチすると、
 
「あなた、もしかして貧民? 
もしかして生活保護? 
もしかして私たちの税金で喰わせてあげてる人?」
 
などとドミノ倒しのように
真相がバレていってしまうことが
考えられるからである。
 
 
これ以上、
「なりすまし」の評判を落とさないためにも、
あるいは、
「ひきこもり」の評判を落とさないためにも、
「ふつうの人」、「市民」になりすますときは、
お金はだましとってはいけないのである。
 
これはけっして道徳くさいお説教などではない。
自分たちの身を守るための知恵である。
 
 
・・・「貧困と人づきあい(58)」へつづく

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