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外国のうつ・ひきこもり事情(76) 台湾の映像作家 盧德昕との対話<12>親との関係と儒教

外国のうつ・ひきこもり事情(75)

Edited by ぼそっと池井多
 
外国のうつ・ひきこもり事情(75)
Edited by ぼそっと池井多
 

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盧德昕 作 商店街天井

 

東洋のひきこもりに特有な親子関係

ぼそっと池井多 前回の最後にあなたは、
ひきこもりであるかもしれないお友達の方が、
ひきこもりであることによって、
ご両親に罪の意識を抱いていて、
それが彼にとって金持ちになりたい動機である、
と語ってくれました。
 
つまり彼は、
親を安心させたいから金持ちになりたいのですね。
 
私自身はまったくそのように感じていませんが、
あなたのお友達が言いたいことはわかります。
 
かつて私もそういう感覚を持ったことが
あったかもしれません。
 
そして、いま私が友達である日本の若いひきこもりの中には、
そういう感覚を親に対して抱いている人が多いかもしれません。
 
ところが、西洋社会におけるひきこもりたち、
たとえばフランス、イタリア、アメリカといった
国のひきこもりたちは、
親に申し訳ないといった感覚を持っているようには、
あまり私の耳には聞こえないのです。
 
少なくとも、私たちアジア人のようには、
親への罪悪感が強くないように思います。
 
ひきこもり当事者、親、社会という三つを結ぶ関係性は、
西洋においては東洋とちがうように思うのです。
 
だから私は、
「親に申し訳ない」
という感覚をもつのは、
ある種、アジア社会におけるひきこもりたちの特徴ではないか
と考えております。
 
私たちはいずれも、
歴史をさかのぼれば、
儒教の影響を圧倒的に受けてきましたから、
それも不思議ではないでしょう。
 
儒教は私たちに、
子は親を敬い、年少者は年長者を尊重しろ、
と教えてきました。
 
もともと儒教
親子のあいだに調和のとれた関係性を提示していた
と思うのです。
 
なぜならば、昔は
「孝慈」
という言葉が使われていたようですから。
 
つまり、
子が親に尽くす「孝」と、
親が子をいつくしむ「慈」は、
セットで使われるのが前提だったようですね。
 
しかし、時代が下るにつれて、
子に対して「慈」を持っていないくせに、
子に「孝」を要求する親が増えてきた。
 
あるいは、
自分の身勝手な自己実現を子どもに押しつけることが、
子を愛すること、「慈」だと勘違いする親が
増えてきたのではないでしょうか。
 
こうして、儒教的な親子関係は、
子どもが親に見返りを求めず一方的に従うことだ
と考えられるようになっていきました。
 
社会もそれを肯定し、推奨しました。
 
でも、これは本来の儒教的な考え方ではないと思います。
 
こんにち「孝慈」という語は、日本では使われません。
 
もし孔子が現代に生きていたら、
 
「親、慈ならざれば、子、孝するにおよばず」
 
とか何とか言ったと思いますよ。
 
 
上一次,在第三部份,你提到了你的朋友,他可能是一個繭居族,並且對他的父母感到內疚,這就是為什麼他想賺錢來讓自己降低罪惡感。 雖然我說我不再那樣覺得,但我確實理解你所說的,以及你的朋友的感受。 我曾經也是那樣想的,也有很多在日本的繭居族朋友還是那樣想的。
然而,當我在和西方社會的與繭居族交談時,例如法國,義大利或美國,我並不會聽到他們對父母有這種內疚感。 有時我會聽到類似的感受,但他們的內疚感並不會那麼強烈。 繭居族,父母和社會所建立的三角關係似乎在西方有著不同的形態。
因此,我認為對父母的內疚感可能是亞洲社會中繭居族的特徵之一。 這也就不足為奇了,因為我們的國家在歷史上同樣受到儒家思想的壓倒性影響,它教導我們:一個孩子必須尊重自己的父母,一個年輕人必須尊重自己的長輩。
我認為儒學在很久以前就提出了親子關係中的和諧,因為我聽說過有「孝慈」這個詞,它結合了孝道,一個孩子的對於自己父母的奉獻,以及憐憫,父母對自己孩子的愛。這兩個概念成對運作是整個概念的前提。然而,隨著時間的推移,即使是沒有練習「慈」的父母也開始要求孩子們練習「孝」,有些父母誤解了他們對孩子的自我實現是對孩子的愛。社會推崇這種思維,要求儒家思想的親子關係,也就是一個孩子在不求回報的情況下獻身父母。對於那些生活在封建時代的人來說,這是非常方便且合理的。但是,這不應該是儒家的根本價值。如今日本一般不使用「孝慈」這個詞彙。如果孔子生活在現代,我想他可能會說:「親不慈子不要孝」(沒有必要為沒有憐憫的父母獻身)。
 
 

家族という共同体単位の絶対化

 
盧德昕 なるほど、それは理にかなってますね。
 
多くの人は
「家族」が社会における最小単位だととらえています。
 
そして家族はずっとつながっていなければなりません。
社会がそう望んでいるからです。
 
私は、これが非常に危険な思想であるように思われます。
 
もし両親が子どもを愛していなかったらどうでしょう。
もし子どもが親を好きではなかったどうでしょう。
取るに足らない小さなミスが起こっても、
そのようになりえます。
 
彼らはいったいどうしたら、
お互い傷つけあうことを避けるために、
家族という見えない鎖を断ち切って、
自分たちを解き放つことができるでしょうか。
 
悲しいことに、
人々はこの話題を話すことを避けています。
なぜならば、人は
「自分の家族がきらいだ」
ということはあってはならないからです。
 
私が見る所では、
こういうメンタリティはアジアでこそ、よく観察されます。
 
我覺得這很有道理。我想很多人把家庭當作一個社會的基本單位,所以要求家庭要有家庭的樣子,家人就應該要待在一起的社會期待。對我來說,這是一個很危險的想法。即使有一丁點的差錯,如果父母不喜歡自己的孩子怎麼辦?如果孩子不喜歡的父母怎麼辦?很感傷的,我們也被禁止思考這個話題,因為一個人「應該愛自己的家人」,否則就是大逆不道。在我的觀察中,這種思維特別容易出現在亞洲。
 
 

世界に共通するひきこもり要因

ぼそっと池井多 それはたいへん面白いですね。
 
私は2017年12月、
GHO(世界ひきこもり機構」というものを
インターネット上に作らせていただきました。
 
地球上のすべてのひきこもりや、ひきこもり関係者が、
お互いつながり合いやすくするためです。
 
そこで私は、
ひきこもりという現象が起こっているのは、
何も先進国だけでないということを学びました。
 
どのようにひきこもりが生まれるのか
というプロセスにおいて、
世界中に共通する構造や要因があるように思えてきました。
 
それを言葉で表すのは難しいんですけどね。
 
しかし一方では、
世界共通ではない、ひきこもり生成の要因も
あるはずだと思います。
 
ちょうど、アジア社会においては、
儒教の影響というものは、
間接的に家族の中でひきこもりを生みだした要因として
どこかにからまっているかもしれない、
ということがあるように。
 
いずれにせよ、ひきこもりについては、
たくさんのことがわかっていません。
 
私たちがひきこもりに関して
世界中からもっと多くのデータや事例を
集められるようになったら、
たぶん私たちはひきこもりに関して
もっと真実を見つけられるようになるでしょう。
 
這很有意思。 2017年12月,我在網路上創立了GHO;全球繭居族組織,使世界上所有的繭居族或繭居族相關人員可以更容易相互了解與聯繫。 在那裡,我了解到繭居族現像不僅發生在所謂的已發展國家,也發生在發展中國家。似乎世界各地有一些共同的結構或因素導致繭居現象的發生,但原因總不是三言兩語可以表達的。 另一方面,必須有部分地域性的因素,就像儒家的影響可能有間接幇助於亞洲方式的產生繭居族。
無論如何,關於繭居現現象我們還所知甚少。 當我們可以從世界各地收集更多關於繭居族的確切數據和案例時,我想我們越能夠在這個領域找到真相。
 
 
 
 
 
 
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    こんばんは。少し前の記事へのコメント平にご容赦を。

    本記事とはややずれる話かもしれませんが、

    >こうして、儒教的な親子関係は、
    >子どもが親に見返りを求めず一方的に従うことだ
    >と考えられるようになっていきました。

    これって、まさに「日本的『権利と義務』観=御恩と奉公」に似ているなあと思いました。
    つまり、「御国」がたとえ「権利=恩給」の施しを怠ろうと、黙って「義務=奉公」に努めやがれ、文句を言うなということ。

    そういえば「阿坐部村」の仕打ちも、これに似たところがありますね。

    なお、日本国憲法の第三章「国民の権利及び義務」では、「義務を果たさなければ権利は制限される」などという条項はないということも付け加えておきます。

    それでは。相変わらず暑い日が続きますがお元気で。 削除

    豚猫大好きぶーにゃん ]

     

    2018/8/11(土) 午後 8:07

     返信する
  •   

    豚猫大好きぶーにゃんさま コメントをどうもありがとうございます。

    なるほど、そう言われてみれば、いずれも「機能しない報酬系」、すなわち「対価を払わない債務不履行のような関係」という点で共通しておりますね。 削除

    チームぼそっと

     

    2018/8/12(日) 午前 1:38

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