VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

外国のうつ・ひきこもり事情(86)南米アルゼンチンのひきこもり<5>

 

外国のうつ・ひきこもり事情(85)
 
by ぼそっと池井多

地球の裏側ということ

f:id:Vosot:20190729084143p:plain

ぼそっと池井多  きみの国アルゼンチンは、
私の住んでいる日本から
ちょうど地球の反対側にあたる国だね。
 
私たちが昼間のとき、きみたちは夜。
私たちが夜ならば、きみたちは昼。
 
でも、ひきこもりは、たいてい昼夜逆転しているから、
逆の逆を行って、
かえって同じ時間帯に起きているかもね。
 
きみの一日の生活時間帯はどんな感じ?
 
 
マルコ・アントニオ   ぼくの生活時間帯はめちゃくちゃだなあ。
 
けっして出かけることのないひきこもりは、
特定の時間に起きたり寝たりする理由がないからね。
 
ときどきぼくは一晩中ゲームをしたり
アニメを観たりしているよ。
またあるときには、すごく疲れて、
一晩中眠って、
昼になってもそのままずっと寝ている時もあるよ。
 
不規則なんだ。
 
ぼそっと池井多  そうだろうな。
私の生活時間帯も似たようなものだった。
 
健康は、気をつけているのかい。
運動不足になったり、してない? 
太っちゃったりとか、
摂食障害の問題とかは、ない?
 
マルコ・アントニオ ぼくはいつも
健康なんて気をつけないな。
 
ずっと運動しない生活を送ってきているせいか、
すっかり体力は弱っている。
 
でも、パソコンを使える体力が残っていれば、
それでぼくは十分なんだ。
 
太るという問題は、ぼくには起こらない。
ラッキーな体質なんだろう。
 
ぼくはいつでも何でも好きなものを食べているけど、
ふしぎと太らないんだ。
 
 

「ひきこもり」という語も知らないままに
「ひきこもり」として生きる

ぼそっと池井多   他のひきこもり仲間には会うことはある? 
アルゼンチンのひきこもりたちは、
ひきこもりたちのネットワークを築いている?
 
マルコ・アントニオ ぼくには友達も仲間もいない。
友達の数はゼロだ。
 
アルゼンチンの中で
ひきこもりのグループを探してみたけど、
ぜんぜん見つからなかった。
 
たぶんこの国のひきこもりは、
きっと誰とも接触を持たないで、
ひっそりと身を隠しているんだろう。
 
アルゼンチンには4400万人もの人口がいる。
統計的にいっても、
そのなかにひきこもりが一人もいないなんて
考えられないよ。
 
きっとひきこもりは
この国だけで何千人もいるだろうと思う。
 
ただ、出てこないだけだ。
グループも作らない。
 
同じ国のひきこもりだけど、
お互いに発見しあえるとは思わないね。
 
彼らのなかには
「ひきこもり」
という語を知らない者もいるだろう。
もちろん、自分がそれである、ということもね。
 
たくさんのひきこもりは、
「ひきこもり」
という語が存在することも知らないで、
ひきこもりとして生きている、
ということだ。
 
 
 

 

All Right Reserved (C)VOSOT 2013-2020