VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

貧困と人づきあい(79)東京のひきこもり、沖縄を歩く<11>沖縄のひきこもり当事者タイキさんとの対話(7)

貧困と人づきあい(78)」からのつづき・・・ 

Edited by ぼそっと池井多

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ぼそっと池井多 自殺未遂をしてから
生活保護を受け始めるまでの9年間というのは、
どのように経済的に生きていましたか。
 
タイキ 親のちょっとした仕送りとか、
ちょっとしたアルバイトですね。
 
東日本大震災のあと、
少しぼくの体調がよかったので、
福島の除染作業にも出かけていきました。
 
でも、少ない収入だったので、
借金になった医療費は払えなかったんです。
 
ぼそっと池井多 それで病院としてはあなたを警戒したのかしら。
 
タイキ そうでしょう。
 
「毎月1万円ずつ払います」
と約束して退院しても、すっぽかしたり、
「いついつまでに支払いに来てくださいね」
と言われても、行かなかったり。
 
「今度は絶対に払います」
という証書を書かされて署名捺印したこともあります。
でも払わなかった。
 
だから、たしかに自分も落ち度がある。
お金がないから、払いたくても払えない、
という状況だったのです。
 
ぼそっと池井多 そのへんが
タイキさんにとっての最近のテーマである
「ひきこもりと健康とお金」
の問題なのですね。
 
タイキ そうです。
こうなると、もう病気になっても病院へ行く資格もないし。
ある時なんかは、その病院の若いスタッフに
「貧乏人はもう死んでください」
とまで言われました。
 
ぼそっと池井多 そりゃまた、ひどい言葉ですね。
私自身も貧乏人だから聞き捨てなりません。
もっと詳しく教えてください。
 
タイキ 事務の若い人が、
「あなたはいつも支払いをすっぽかすから、
もうこの病院に来ないでください」
と言ったんですよ。
 
「じゃあ、ぼくが病気しても、病院には来るなってことですか」
って聞いたら、その事務員は、
「はい」
って言ったんです。
 
だから、ぼくは、もう病院へ行くことが
こわくなってしまいました。
 
病院へ行かなくてはならない状況になると、
パニック発作とか起こしてしまうようになって、
じっさいにその場に倒れてしまったこともあります。
 
ところが、倒れると救急車が呼ばれて来るんですよ。
でも、救急車で病院にかつぎこまれると、
またお金を払わなくちゃならないから、
そこでまたパニック発作過呼吸になる。
 
そして、そのときは
「お金かかるから、病院へは行きません」
といって救急隊員には帰ってもらいました。
 
 
 ・・・「貧困と人づきあい(80)」へつづく
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