VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

やっぱり今日もひきこもる私(107)捨てたもんではないメディアの皆さんたち

私にひきこもりらしい特性が全開し、
部屋から出られない状態になり、
そのために
「お前は取材対象から外す」
と言われたかのように
少なくとも私が感じた小さな事件を書かせていただいた。
 
その大新聞からは、
それ以来もう連絡が来なくなって、
なんとも寒々しい気分になったものだが、
世の中、そんなメディアばかりではない、
ということを今日書いておこうと思う。
 
その他のメディアの方々の反応が好ましかったのである。
 
くだんの大新聞と競合関係にある、
もう一つの大新聞の記者さんからは、
 
「貴ブログを読みました。
 
自分はそういうことはしませんが、
同じメディアの世界に属する人間として
恥ずかしく思います。
代わってお詫び申し上げます。」
 
といった丁重なメッセージをいただいた。
 
また、あるヨーロッパ系の大新聞も
くだんの大新聞と同じように
「緊急特集」を組もうとしていたのだが、
私がくだんの大新聞に言ったのと同じように、
 
「ひきこもりは、そんなに急に取材できるものではありません。
特集を延期してくれませんか」
 
と、半ばダメモトで言ったところ、
ほんとうに延期してくれて
 
「日本のひきこもり問題は何か月かかけて取材するつもりだ」
 
と社の方針を変えてくれたのである。
 
それら良心的なメディアには、
私はできるかぎり協力してあげたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
3月末に内閣府から
中高年のひきこもり実態調査の発表があって、
その直後、メディアはあたかも
「中高年ひきこもり祭り」
と呼ぶべき様相を呈した。
テレビも新聞も、そういう報道を組んだ。
 
中高年のひきこもりにしては珍しく
メディアに出ることも厭わない私のような当事者は、
1日に2つのテレビに出るなどという
不倫がバレた政治家か薬物がバレた芸能人なみの
引っ張りダコの憂き目にあった(*1)。
 
*1.「やっぱり今日もひきこもる私(91)」
 
 
それが2週間ぐらいすると、
報道の主力は日本のテレビ・新聞から
外国のテレビ・新聞と、日本の雑誌に移っていった。
 
情報が伝播するさまが、如実にあらわれていた。
 
とくにヨーロッパ系の名だたるテレビ・新聞が、
連日のように私にコンタクトを取ってきて、
私は対応に追われる日々がつづいていた。(*2)
 
*2.さすがに連休の入るころから、それは下火になった。
なぜかアメリカ系のメディアは今回はじめから静かである。
 
上記に述べた「ヨーロッパ系の大新聞」も
そのうちの一つであった。
 
そこははじめ、
「来週にも記事を出したい」
などと取材を申し込んできたのだが、
 
「そんな無茶な」
 
と私は申し上げる一方で、
 
「日本のひきこもりをなめたらあかんぜよ。
 
この問題は奥深いところまで菌糸が入りこんでいる
コケのようなもの。
 
ちゃんと取材しようと思ったら、
何か月もかかるはず。
 
貴紙にそれだけの覚悟がおありか」
 
と、いささかすごんでみたところ、
 
「覚悟はある。何か月でもかけましょう」
 
と態度を変えてきた。
 
「これはご立派」
 
と私も取材には協力することにした次第である。
 
日本のひきこもりについて誤ったイメージ、偏った偏見が、
世界には流布している。
 
こうした海外のメディアには、
ぜひそれらを改めてほしいものである。
 
もっともその前に、
日本国内でひきこもりについて誤ったイメージをふりまいている
日本のメディアをなんとかしなければならないのだが。
 
 
 
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