VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

貧困と人づきあい(88)東京のひきこもり、岩手を歩く<3>

貧困と人づきあい(87)東京のひきこもり、岩手を歩く<2>」からのつづき・・・

by ぼそっと池井多
 

東京のようなわけに行かない、地方の当事者会

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私が釜石を訪れた日は雨だった。電車の車窓から。

写真・ぼそっと池井多



ぼそっと池井多 この釜石地方の
ひきこもりの当事者会などはありますか。
 
土橋詩歩 私が知る限りはありません。
なので、この地域でいろいろな生きづらさを感じている人が
気軽に交流できる場をつくれればいいな、
と思っています。
 
ぼそっと池井多 もうすでに、釜石とその周辺で、
あなた以外のひきこもり当事者や、
生きづらさを訴えている人は、誰かご存じですか。
 
土橋詩歩 それが、なかなか情報が入ってこなくて。
 
そういう人たちがいることは、
人づてに、支援者の人などから聞くんですけどね。
 
社会参加の一端として、
とある組織のところで、
薪割りとか簡単なことから社会参画を始めている
ひきこもり当事者のお話なども、
聞くことは聞くんです。
 
でも、「守秘義務があるから」ということで、
具体的な情報は教えてもらえません。
 
当たり前なんですけどね。
 
そのため、私自身は見たことも会ったこともないのです。
東京であれば
もっと気軽に当事者会で知り合うことができていたので、
まったく違う状況だなと痛感しています。
 
ぼそっと池井多 どの地域に行っても、
よくある話なのですが、
ひきこもりは透明人間のように見えない人口として存在する、と。
 
間接的に存在が伝わってくるんだけど、
実際に会うことのない人々として。
 
土橋詩歩 私自身は、ちょうど東京で知り合ったみたいな、
ちょっと活動的なひきこもりの人たちと、
この釜石周辺で出会いたいな、
と思っているんです。
 
そういう人たちと対話して
「いま、この地方のひきこもりはどうなっているのか」
って対話する場があるといいと思うんですよね。
 

私がひきこもり経験を語る理由

ぼそっと池井多 そのために、
土橋さんは 何をやろうとしていらっしゃるのですか。
 
土橋詩歩 私はまず、
「ひきこもりが問題とならないために、
ひきこもりという話題をとりあげていく」
ようにしています。
 
ひきこもりへの偏見を無くしたくて
「自分がひきこもっていました」
ということを率先して皆に言うようにしています。
 
私は自分がひきこもっていた経験を全然否定していなくて、
あのころは自分にとって
必要な選択肢だったのだと考えていますから。
 
釜石に限らず、
地方の町というのは東京に比べると小さいので、
何事もすぐに知れ渡ってしまうんです。
みなさんひきこもりに関して口を閉ざしてしまうんですね。
 
でもそれは、
ひきこもりへの背徳感があるからなのではないでしょうか。
それを変えていけば、
何事もすぐに知れ渡ったところで怖くはないでしょう。
 
このように考えられるようになったのは、
都内で当事者活動をしていたころに、
ひきこもりは悪ではない、負の経験でもない、
という認識で活動していた仲間たちと
いっぱい出会うことができたからです。
 
微力ながらも、そういう考えを、
釜石周辺および、地域に住んでいる 
ひきこもりの皆さんやひきこもり当事者のご家族にも
伝えられる方法はないかと模索中です。
 
 
 
・・・「貧困と人づきあい(89)」へつづく
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