VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

貧困と人づきあい(91)オランダ人ハーフ、マリコさんの場合<3>

貧困と人づきあい(90)」からのつづき・・・

by ぼそっと池井多 

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日本社会でやっていけない者

ぼそっと池井多 そのころまでには、

マリコさんはオランダがもうすっかり

一つの故郷として心に根ついていたのですね。

 

マリコ オランダは、母の里帰りにくっついて、

幼い時から何度も訪れていましたし、

それに加えて、

日本が異国のように見えている自分の感覚を確かめるために、

16歳のときに1年間オランダに留学したのです。

 

それで、「ああ、やっぱり」と確認して日本に戻ってきて、

高校を3年間やりましたが、

卒業したらオランダに移住することにしました。

 

留学の1年があったので、

高校を卒業するのは19歳でした。

 

進路相談のときに、担任の先生が言うのです。

 

「私はあなたを心配している。

あなたは日本の社会ではやっていけないと思う」

 

と。

 

私は鼻白んで、

 

「はあ、大丈夫です。

私は日本の社会などでやっていくつもりはないので。

大学からオランダに移住します」

 

といったら、先生はたちまちカチンと来ていました。

 

いま考えると、

「あの先生の言葉はひどいな」

と思います。

 

教育者が、自分の教えている子どもに対して、

「あなたはこの社会に合わない」

という。

 

逆に「その社会がおかしいのではないか」というのが

本来の考え方だと思うんですが。

 

もし今、あのときの学校の先生に会ったら、

そう言ってやりたいです。

 


 

編 集 後 記

 

by ぼそっと池井多

 

 

いま連載中のインタビューは、

4月に収録されたものである。

 

マリコさんは仕事の都合で、

3か月に1度、日本に帰ってくる。

 

というか、いまの彼女の生活の本拠地はオランダなので

「3か月に1度、日本へやってくる」

というべきか。

 

じつは今、マリコさんは再び日本にやってきていて、

明日、私は3ヵ月ぶりに彼女と会う約束をしている。

 

この記事で語られているような「マリコ節」が聞けるのを

楽しみにしているのである。

 

 

 ・・・「貧困と人づきあい(92)」へつづく

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