VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

貧困と人づきあい(94)消費税増税前、駆け込み需要なし。

貧困と人づきあい(93)」からのつづき・・・

by ぼそっと池井多

 

昨日、日曜日のショッピングセンターは、いつもにも増して人でいっぱいであった。

おお、いやだいやだ。

私は人ごみが大嫌いであるので、まるでゴキブリでも眺めるような目つきで、その人ごみを眺めてやった。

 

なんでも「消費税増税前の駆け込み需要」で混んでいるのだという。

消費税が上がる前に、「まだ安いうちに」モノを買いだめしておこう、という人々が買い物に押し寄せたものらしい。

 

私のような貧乏人にも

「ぼそっとさんも、消費税が上がる前に買うモノを買っておいたほうがいいですよ」

と、いろいろな方からご忠告をいただいた。

 

しかし、考えてみると、私はその「買うモノ」というのがないのである。

買いたいモノ、いや、買うべきモノがない。

 

いまの生活に必要なものは、すでに全部持っているからである。

 

というと、なにやら私が巨万の富を持つ富裕層のように聞こえるが、私は生活保護受給者であるから、そういうわけでもない。

私の生活は、まさしく貧困層のそれであって、持っているモノも必要最低限である。

しかし、この必要最低限をはみだして、もっと多くのモノを持とうとすると、生活の規模も広げなくてはならない。それが面倒である。

 

たとえば、私は逆立ちしても生涯買うことはないだろうが、自分の車を買ったら、駐車場が必要だ。

駐車場つき庭つき一戸建ての家を買ったら、家のなかの掃除と、庭の手入れをしなくてはならない。

そんな時間がどこにある。

ひきこもりは忙しいのである。

それに庭の手入れなんぞをしていたら、近所のオバサンたちにジロジロ見られてしまうではないか。これが怖い。

 

「トイレットペーパーも上がりますよ。さすがにぼそっとさんも、トイレットペーパーは使うでしょう。すこし買いだめしておいたらどうですか」

ともいわれたが、買ってもどこに置いておくのか。

ただでさえ狭い部屋のなかは、これ以上、よけいなモノを置くスペースがない。

収納スペースにかかる空間的コストというのは、馬鹿にならない。ためこんでおくだけ、生活が不便になる。

それよりは増税後のセールか何かで再び値下がりしたときに買った方が良いような気がする。

 

酒類も上がりますよ。ぼそっとさんは日本酒、飲むでしょう。買いだめしておいたらどうですか」

とも言われたが、その時々で飲みたい酒銘は変わるし、

「買いだめしてあるから、ほうっておくと悪くなってしまうので、今日はこの酒を飲もう」

という義務感で飲みたくない。

かえって、

「日本酒の値段があがって、最近はうっかり飲めないな」

というご時世になったら、惰性で飲むということがなくなり、時々にしか飲めない酒の味がありがたく深く舌にしみて、よけい旨いのではないか。

 

パソコンやプリンターなど、いま使っている機器が壊れたら困るから、そのときは買い替えなくてはいけないが、いまは正常に作動している。今から買いだめする必要を感じない。

いま使っていないような最新機器を、こうした機会に買い求めるとなると、要らなくても済むものをどんどん買うようになる、という資本主義のワナにはまっていくだけのような気がする。

 

 

というわけで、いくら消費税が上がろうとも、貧乏人である私は買うべきものは何もないのである。

 

 ・・・「貧困と人づきあい(95)」へつづく

 

 

 

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