VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

海外ひきこもりだった私(21)言語フェティシズム<1>

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海外ひきこもりだった私(20)」からのつづき・・・
 

 Edited by ぼそっと池井多

 

みるく

深い物語には、深い物語が呼応する。

ぼそっとさんのこの珠玉のエッセイ(*1)に私も心を揺さぶられた一人ですが、そんな思いを持ってみなさまのコメントも拝読しました。

 

*1. やっぱり今日もひきこもる私(173)東京のひきこもり、岐阜を歩く<6>勤勉なミャンマー人女性

vosot.hatenablog.com

私は、常々ぼそっとさんの語学力に感服しながらも羨ましく、どうしたらあのような語学力が身に付くのか、あるいは自分には何故それが出来なかったのか、と疑問に思って来ました。
もともと才能豊かであられたのは私などとは比べようもありませんが、それにしても凄いなあ・・・、と。

今回の文章を読んで、それが少しわかる気がしました。

語学に傾けられた心の熱がどこから来たのか、それがうっすらと私にも辿れるように思いました。

・・・

一流企業入社を目前にして、『埋め込まれた時限爆弾』のタイムリミットになり、ドロップアウトせざるを得なかった、そして、そとこもりに。

そのことの意識における無念さ、でも無意識レベルではある意味あっぱれな勝利、などが混然一体となって、海外を放浪させ、土地土地の言語修得に励ませたのかなーー、 などと思いを馳せました。

だとすればぼそっとさんの語学は、内からの必然で、だからそんな強い熱になった・・・。

・・・

そして、その語学力が、今、世界のひきこもり当事者とつながるという、今まで地上で誰もやってなかった大仕事を可能にしている、そんなことにつながっている。 資格にも、出世街道にもつながらなかったけれど、あの熱が、語学力がそのような道につながっていた...。

ひと様の人生ながら、とても不思議な気がします。 また私の人生にもそのような固有性が何かきっとあるはず、と照り返してみたりもしました。
まさに 『生きるということはそういうことになっている』 のですね。

 

 
ぼそっと池井多 :

みるくさま コメントをどうもありがとうございます。

私の中には、いくつかの偏執狂があります。

一つは鉄道で、これはセルフ精神分析の結果、「父求め」の表象であるということがわかり、こんにちに至っております。

もう一つは言語フェティシズムです。言語というものに対して、やむにやまれぬ好奇心と征服欲が若い頃からあり、知らない言語を見るとほうっておけなくて、たちまち手を出したくなってしまうのです。ちょうどセックス依存症の男が、女性と見るとかたっぱしから手を出してしまうように。

自分のこの傾向はいったい何なのだろう、と長いこと考えてきました。途中まで答えが見えているので、ちかぢか記事にしたいと思います。

 

みるく:

ぼそっとさま

早速のリコメありがとうございます。
私が想像するよりはるかに強烈な衝動のようですね。
言語に対してそのような衝動があるとは知りませんてしたが、うかがえばなるほど、です。

私の夫は30年以上にもわたるギャンブラーですが、地理オタクでもあり、抜群の方向感覚があって道に迷うということがありません。

「偏執性」がどこからくるのか、すごく興味があります。
記事を楽しみに待っています。

 

ぼそっと池井多:

みるくさま ご再訪ありがとうございます。

私も、「地理オタク」とまでは行きませんが、幼稚園のころは鉄道地図ばかり描いていましたし、中学生のころは国土地理院発行の地形図を買い集める趣味がありました。


また、現在のようにスマホで現在地が簡単にわからなかった昔でも、つねに自分がどこを歩いているか頭の中の地図に照らし合わせていました。なので、そとこもりだった頃も、たいていの日本人が迷うインドやアラブの旧市街でも道に迷うということがありませんでした。


道に迷わない地理オタクは、方向や位置といった秩序と自己を切り離すことがないという内的世界を持っていると思います。そして、それはけっしてレールを外れることのない鉄道を偏愛した私の習性にもつながるように思います。


私にはギャンブル依存の気はありませんが、ギャンブル依存の方は、運とか数字にかかわる縁起かつぎのような、独特の秩序を持っていることがあるように思います。


そして、言語も文法という秩序をもっている意味の体系です。


人は、どこかで内的な秩序を持ち、その秩序を通じて世界につながっている、あるいは、つながっていると信じたい存在なのかもしれません。

 

 

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・・・「海外ひきこもりだった私(22)言語フェティシズム<2>」へつづく

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