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やっぱり今日もひきこもる私(357)「東京力×無限大」フォーラムを終えて

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by ぼそっと池井多

 

昨日は、半年以上前から予定されていた、東京都社会福祉協議会主催による「地域とひきこもり」をめぐるシンポジウム、

東京力×無限大

の本番であった。

 

いや、半年ではない。

もともと昨年の3月に行なわれる予定で、一昨年の9月ごろから企画が始まったから、じつに開催まで一年半以上かかった計算となる。

昨年3月は、まだコロナ禍が始まったばかりで、イベントをオンラインで開催する発想が人々の頭の中になかったので、中止となったのだが、実質上「延期」という形になって、今年3月に飯田橋セントラルプラザでリアル開催するとして計画されていた。

しかし、首都圏における緊急事態宣言が延長されたため、オンライン開催となったものである。

 

 

 

 

オンライン開催となると、私はとたんに緊張しなくなってしまうのが、これまたよろしくない。

200人近い参加者の方が画面の向こうで視聴しているはずなのだが、Zoomがいつも私の使っている素人仕様でなく、ウェビナーとかいうプロ仕様なので、登壇者からは参加者の方々が見えないのである。

始まったのが、まだ私が起きてからそんなに時間の経っていない時刻だったので、気がつくとウェブカメラに映らない下半身は寝巻のまんま講演していた。

このへんのズボラが、リアル会場で多くの観客の方の目にさらされて登壇する時と違う。

 

しかし、こうしたゆるい環境が良い方向へ作用したのか、

「地域福祉を仕事としている方々を相手に、満場を敵にまわして、

『ひきこもりは地域福祉と相性がわるい』

ということを言わなくてはいけない」

という、いわば当初の「敵陣に斬り込みをかける」かのような意気込みは、本番ではほとんど不要なまま、たいしてプレッシャーもなく発表ができた。

 

私は、東京という「地方」の特色として

 

・公共交通機関が発達していて、他の自治体への移動が容易である

・すでに機能している社会資本としての当事者活動が盛んである。

 

という二つを挙げ、行政は当事者活動を後方支援してほしいと訴えた。

 

「家族会だけ後方支援していればいい」

と考えているような行政の支援者の方がよくいるものである。

支援するなら家族会が主で、当事者会は従であるように思っているのだ。

それはちがう。

 

また、家族会の親御さんが、

「われわれも当事者だ」

ということから、行政の方の頭が混乱することもあるらしい。

たしかに、親御さんも問題の当事者である。

「当事者」とは、ある問題に直接関係している本人を指す語であるから、そのような語義から考えれば、家族もひきこもりを問題として抱える当事者の一人ということになる。

しかし、それは「ひきこもり当事者」というときの「当事者」とは意味がちがうだろう。

どうしても、親子という対立軸で考えた時には「ひきこもりを問題として抱える家族の一員という意味での当事者」はたいてい親御さんであり、「ひきこもっている当事者」あるいは「ひきこもり当事者」は子の立場なのである。

そういった意味で、やはり子の立場の当事者が運営している当事者活動を、行政の方々はもっと重視してほしいのである。

 

 

 

 

行政が主導すると、どうしても地域というものが基盤となる。

なぜならば、管轄する地域を持たない行政単位はないからである。

つまり、

「うちの市の面積は0平方キロメートルです」

などという地方自治体は存在しない。

そのため行政が発想すると、「地域ごとに考える」という問題設定へ向かうのが、あらかじめ定められた路線のようになってしまう。

 

しかし、そのまま進められては「支援者の都合でおこなう支援」なのである。

昨日も発言させていただいたように、

「支援とは、支援者の支援欲を満たす場ではない」

のであり、また

「被支援者(当事者)は、支援者の支援したいという欲望を満たす対象として存在しているのではない」

という事実がある以上、「地域の人がこわい」というひきこもりの心性を前提として支援を組み立てていってほしいのである。

 

結果として、ありがたいことにファシリテーターをしていた地域福祉の専門家の方も、他の登壇者の方も、また都下の社協の方々も、私の主張に大きな理解を示してくれた。

これを機に、ひきこもり支援というものが、支援者の目線ではなく、当事者の感覚やニーズに基づいて考えられていくものへと変わっていくことを切に願いたいものである。

 

 

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