VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

盗みが止まらなかった私(108)

盗みが止まらなかった私(107)」からのつづき・・・


リュウ 「あ。そうか。
  尾(つ)けられてるんだ」

 とわかったんだけど、そのときにはもう遅くて、
 
 そのときは
 (さっきJ.I.が言ったジュネ(*1)の描写のように)

 「世界がひっくり返る」

 じゃないけど、全身の汗が引いて、

 「どうしよう、どうしよう」

 という状態になった。

*1.ジュネ
20世紀フランスの泥棒作家


 そこのアウトレットは駐車場が広くて、
 クルマがいっぱいあったから、
 その中に逃げ込めば警備員をまけるだろうと思って、
 尾けられていることには気づいてないふりをして
 駐車場の方向へさりげなく行くんだけど、
 やっぱり、
 尾けてる男はなんとなく
 どこまでも尾いてくるんですよね。

 これで、もう

 「完全にバレてる。完全に尾けられてる」

 と思って、

 「どうしよう、どうしよう」

 と思ったら、尾けてきた方が電話しながら、
 すうっとある方向へ走りだしたんですよね。

 その行先の方向を見たら、
 もう、そこには
 警官隊。

 いろんな格好の警官隊。
 制服着ている警察官もいれば、 
 交通巡査みたいなのもいれば
 いろいろな警官がまるで御用提灯もって
 待ちかまえているみたいだったんです。

……。
……。


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