VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

あんたなんであの子と一緒じゃないのよ!!(1)

名作リバイバル劇場


今まで発信してきたトラウマ・サバイバーたちの「生の声」も
過去記事の中に埋もれてしまっているものがあります。

そうした中から
検索されることの多い記事や、
もう一回読みたいというご要望が多いすぐれた記事を、
新しい編集版で時々リバイバル配信させていただいております。

編集やレイアウトは、初回配信のときと比べて
変更させていただくことがあります。ご諒承ください。
 



あんたなんで

あの子と一緒じゃないのよ!!

by オー


私は結婚して男の子を一人産んだ。

息子を育てていくにつれて、
息子が経験する学校行事見るたびに、
自分が子どものころに
そういった学校行事を経験したときの
自分の気持ちや
母のことばや態度を
思い出してしまって辛い


 
 
 

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その夏、息子の小学校は
2泊3日で臨海学校に行く予定になっていた。

ある日、息子は
臨海学校のしおりを持って帰ってきた。

わら半紙で作られたしおりには、
日程表、臨海学校の目的、持ち物のリスト、
参加する先生の名前、
そして最後に班のメンバーリストが載っていた。

息子はいつも仲良くしているお友だちと一緒の班になっていた。

息子がよく遊びに行く
お友だちの名前や、
よく息子の話に出てくる
お友だちの名前が入っていた。
 
私はほっとした。
ああ、良かった、
仲良しの子たちと一緒の班で。
 
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息子に
 
「班、どうやって
決めたの? 
先生が決めたの?」
 
と聞くと、
 
「好きな人同士だよ」
 
と言う。
 
私は
 
「そっか、良かったね、XXくんや○○くんと一緒で」

と言ったが、
私は涙が出そうだった。
 
しおりを持つ手が震えてしまった。
 
たかがこれだけのことに
こんなに感情が高ぶったのにはわけがあった。
 
それには
息子と同じ立場に立たされたときの
幼かった私の記憶に
さかのぼらなくてはならない。……
 
 
 
 
 
 
私の母の価値観は
頭の良し悪しに基づいていた。

そして子どものそれは
成績の良し悪しだけで決められていた。

そういう母から
私は当然のように
成績はトップを求められた。

そして友だちも
成績の良い子でなければならなかった。

むかし私が臨海学校に行ったときも、
息子が学校からもらってきたのと
同じようなワラ半紙のしおりが配られた。

内容もほぼ同じで、
最後に班のメンバーリストが載っていた。

それを見たとたん、母はこう怒鳴ったのである。


「あんた、なんで
Sちゃんと一緒じゃないのよ!」


Sちゃんは成績が上位の子だった。

 
ちなみにもちろん私も上位だった。

私とSちゃんがクラスの中で
常時トップを争っていた。

母は私が当然Sちゃんと同じ班で
臨海学校に行くものと思っていたのだ。

ところが、しおりのメンバーリストを見ると、
Sちゃんの班に私が入っていない。

代わりに入っていたのがMちゃんだった。


なんでSちゃんの班に
Mちゃんが入っているのよ! 

Mちゃんじゃあないでしょう? 

おかしいでしょ。
なんであんたじゃないのよ!


母は怒鳴り続ける。

Mちゃんは成績がクラスでも下のほうだったが、
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Sちゃんと仲が良かった。

母にしてみれば、
成績の悪いMちゃん
成績の良いSちゃん
一緒の班なのが
不思議でたまらないらしい。

そして、そこに
私が入っていないのが
信じられないらしかったのだ。





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