VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

父から逃げられない私(38)ゴミ分別の魔境

父から逃げられない私(37)」からのつづき・・・

 
J.I. それでは、ナガレさんにとって強迫症というものが
 人生を阻害してきたというのは、
 大学の勉強を進ませないとか、
 きわめて知的なレベルの話であって、
 毎日、食事をして風呂はいって寝るという
 ふつうの日常生活をしているレベルでは、
 強迫は支障にならなかったのですか。

ナガレ たとえば今、
 オフィスビルの清掃の仕事をしているんですよ。

 ゴミの分別をするときに、
 プラスチック、紙、びん、缶、ペットボトル、金属
 などに分けるわけですが、
 給料がもらえるのが3時間分なのです。

 しかし3時間ではなかなか終わらなくて。

 いつも1時間半ぐらい労働時間が超過していたのです。

 そうしたら社長が
 タイムカードを見てびっくりしたらしくて、

 「あんた、なんでこんな
 遅くまで働いているの?」

 と訊くわけです。

 「身体をこわすよ。
 昼間も働いて、夜もこんなに働いていたら」
 と。

 「いえ、私は昼間は働いてなくて、
 精神科へ行っていますから、大丈夫です」
 とは言えなくて。

 そうしたら社長が何やら怪しんだのか
 一人の人員を、監視役として私につけたのです。

 おそらく

 「あいつ、何をやってるか見て報告してくれ

 という使命を与えたのでしょう。

 そうしたら、その監視役がおれの仕事ぶりを見て、
 「あ、なんだ。そんな厳密に分別することないですよ」
 と。

 でも、分別しなかったら、仕事は一瞬で終わる。……

……。
……。
 
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