VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

父から逃げられない私(64)洗脳されたとすら気づかない重度の洗脳(続・マヨルカ島の風)

父から逃げられない私(63)」からのつづき・・・

 
2016年5月収録
 
ぼそっと池井多 近親姦カップルの事例を
 取り上げたことがあります。(*1)


 日本でも、じつはいらっしゃるのでしょうけれども、
 ネットで自ら名乗りを上げるという方は
 日本ではおられないようです。

 そこで、スペインのマヨルカ島というところで
 近親姦カップルを公にしている
 サラさん・クリスさんというカップルを取り上げました。

 サラさんにとっては、クリスさんは
 夫であり、実の父親でもあるという 
 そういう関係性なのですね。

 サラさんはいま(2016年5月時点)で19歳。
 昨年18歳のときに発信したツイッター
 掲載させていただきました。
イメージ 1
 
 父親クリスさんとの間に赤ちゃんが生まれて、
 周囲の人々は、

 「そういう関係から生まれた子どもは、
 正しくない関係だから
 母親として子どもを育てる資格がない」

 と、サラさんが自分で赤ちゃんを育てることに
 強く反対したようです。

 それに対してサラさんは、
 「赤ちゃんは自分で育てたい」
 と主張し、
 近親姦を批判している周囲と戦っています。

 まあ、「戦っている」といっても
 戦闘的にたたかっているのではなく、 
 思想的に、人生観をめぐって、と申しますか。

 信念として戦っていらっしゃる。
 サラさんとはそういう人です。

 さて、そういう事例を紹介させていただいたところ、
 ナガレさんから興味深いコメントをいただいたというわけです。

 まず私が、

 「サラさんは、たとえば拉致され幽閉されて、
 そういう近親姦の夫婦関係を結んでいるのではなさそうだ」

 と申し上げたのですね。

 サラさんが発信しているメッセージにしても
 19歳にしては大人びているというか、
 政治意識なども強いし、
 とまあ、そういうことを私が紹介したところ、
 ナガレさんが、

 「『サラは主体をもって私と寝たのです。
 ですから、私には何の責任もありません』
 なんてクリスが開き直るなら、
 私は怒りをおぼえる」

 ということをおっしゃいました。

 「娘を、主体をもって父親と寝るような女に
 育ててしまった責任があるのではないか」

 とナガレさんは言っておられるわけです。

 これは非常に深い問題であると思うのですね。

 このとき夫であり父親であるクリスさんに対して
 ナガレさんがいだいた怒りというものを
 少し解きほぐして語っていただけませんか。

ナガレ 親の言うことをよく聞くような人間に
 子どもを育ててしまったら、
 子どもの人生はまったく親の自由になってしまうのではないか、
 と思うわけ。

 しかし、その結果、
 「でも、これは、子どもが好きでやったことです。
 親の私が押しつけたことではありません」
 と親が自分を正当化できる。

 これは、かなりとんでもないことではないかな、と。

 それは、サラさんとレベルがちがう、といったら
 君は怒るかもしれないけど、
 オレがずっと親から言われていたこと。

 「お前は、好きでやった、というか
 反抗しなかったじゃないか」
 と親に言われたらそれまでだ。

 「お前は、反抗せずに塾へ行ったじゃないか。
 灘中学も受験したじゃないか。
 そのあと、灘高校へおおぜい受かることで有名だった
 イ○○塾へも行ったじゃないか。

 すべてお前が行きたがったから
 オレは金を出してやったんだ。」

 もし親父がそう口に出して言ったならば、
 オレは、
 「いや、それはちがうぞ」
 と。

 「抵抗できなかっただけだよ」
 と。

 しかし、もっとうまく子どもを洗脳することができたら、
 抵抗したくても抵抗できない子どもではなくて、
 (抵抗したいとも思わない子どもというか)
 主体をもって親に命令にしたがう子どもになるのではないか。

ぼそっと池井多 そうでしょうね。

ナガレ だったら、自分の娘を
 主体をもって、喜んで父親と寝るように
 育てることができたら、
 父親は娘と何の問題もなく、やれるようになってしまう。

 これはもしかしたら、
 すべての父親がひそかに思っている願望?

ぼそっと池井多 そこはどうだかわかんないけど……

ナガレ そういうノウハウを教える人っているのが
 ひょっとしたら(クリスさんなのではないか、と)

 その父親をうらやましいと思う男は
 けっこういると思う。

ぼそっと池井多 源氏物語に出てくる光源氏
 自分の娘をそういうふうに育てる、というのがありましたけど
 ある意味、男性的ファンタジー
 一つの類型ではあるでしょうね。

 しかし、現実にマヨルカ島に生きている
 クリスさんサラさんというカップルにあてはまるかどうか
 私たちは知らないわけだし、
 サラさんがいろいろ他のボーイフレンドを持った末に
 お父さんであるクリスさんに落ち着いたのかどうか
 もわからないわけです。

 いっぽうでは、まだ19歳ですから
 これから20年、30年経っていくうちに
 その関係性がどう変化していくかもわからない。

 「思い返したら、あれはやっぱり 
 父親に洗脳された結果であった」
 と後になって言い始める可能性がないとも限らない。

 「ハポン(日本)という国の
 ナガレという男が言っていたことが
 やはり正しかった」
 とサラさんが
 何十年後に言わないという保証はないわけですよね。

 いっぽうでは、これだけ人生を賭けて周囲とたたかって
 獲得している今の近親姦カップル関係を
 一生、添い遂げるかもしれない。

 だから、いま現存する人物ではなくて、
 ナガレさんのいうとおりの洗脳に成功した父と
 その娘がいたと仮想しましょうか。

ナガレ 「大きくなったらパパのお嫁さんになるんだよ」
 という娘。

ぼそっと池井多 そうですね。
 そして、洗脳が完結したかたちで娘が成人してしまった
 としましょう。

 そういう父娘に、周囲の人たちが、
 「あなたたちは近親姦ですから」
 といったところで、
 「ひとの勝手でしょ」
 と追い返されるかもしれない。

 それが、いわゆる近親「姦」という
 コイタス(性器)の接触や侵入という 
 センセーショナルな概念を抜きにして考えれば、
 一般の父娘関係で、
 「お前は学歴の高い大学を出て、こうなるんだ」
 と親に洗脳されて、
 「そうなのか」と思ってそのとおりの人生になっちゃって、
 しかも大人になってからも
 「もしかして洗脳されていたのでは」
 という疑いを入れないほど重症の洗脳をされている、
 そういう親子像と同じだ、
 ということをナガレさんはおっしゃりたいわけですね。

……。
……。 
 
 
・・・「父から逃げられない私(65)」へつづく
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