VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

殴られ続ける私(94)恵まれている立場だと被害が訴えにくい

殴られ続ける私(93)」からのつづき・・・

 
ぼそっと池井多 前回は逃亡中だったあなた、ウツコさんを
 インタビューさせていただいたわけですが、
 そのときは、
 ある重要な事実には踏みこまなかったのですね。

 それは、
 あなたに暴力をふるっている夫が医師である
 という事実です。

 お住まいの地域社会では、けっこう尊敬されていて、
 「地方の名士」に入るかもしれない存在である、と。

 「暴力夫」という言葉から、
 みなさん、どういうイメージを思い浮かべられるでしょうか。
 粗野な、肉体労働のたくましい男性が、
 仕事から帰ってきて、その勢いで妻をなぐる、
 といった偏見でとらえている方が多いと思います。

 しかし、知識階級の夫こそが
 じつは「暴力夫」の一つの典型を成しているわけです。

 ウツコさんの夫もそんなインテリの一人であって……

ウツコ インテリまで行かないかもしれません。
 おおぜいの中の一人だからね。

ぼそっと池井多 ええ、おおぜいの中の一人かもしれませんが、
 でも、ウツコさんがお住まいの地方都市の中では
 やはり「それなりの存在」でいらっしゃいますよ。

 医師であるとか弁護士であるとか、
 社会的に上流とみなされる階級に
 じつは暴力夫は多いのではないか。

 ここの部分に、前回のウツコさんへのインタビューは
 及ばなかったのです。

 前回、申しませんでしたが、
 ウツコさんは、じつは開業医の奥様でいらっしゃる。

 しかし、世間的には
 「開業医の妻
 というと、
 「毎日とても良い暮らしをしているんだろう
 と見なされてしまう傾向があるから、
 ウツコさんとしては、なおさら被害が訴えにくかった

 そんなことは、ありませんか。

ウツコ ……。

……。
……。
 
 
・・・「殴られ続ける私(95)」へつづく
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