「人とつながれない私(6)」からのつづき・・・
鬱のときにドラマへ逃避
瀬戸:ほんとにド鬱だったときも、
本であれネットであれドラマであれ、
逃避するものがあって、
そっちに集中しているんですよ。
ドラマに逃避してる状態。
鬱で人とも話したくないし、
外にも出たくないし、
治療機関にすら行きたくないし、
治療者に話すことも思いつかないし。
どうにかしないといけないのは分かってるんだけど
っていう時に…。
すいませんあたし、いま自分の状態が安定してるので。
安定してる時って、
安定した状態のことしか、
上手く思い出せないというのがあって。
ぼそっと池井多:いや、それで結構です。
私が瀬戸さんにインタビューさせていただきたいな
と思ったのは、ついこの間まで瀬戸さん、
結構ガッツリ引きこもってたじゃないですか。
だからその時にお話伺いたいなと思ったんだけど、
「これじゃあ、お会いする事もできないんじゃないかな…」
と思ってました。
こうしてお会いできて、お話を伺って、
「とても良かったな、ありがたいな」
と思ってるんですけど、
ついこの間までガッツリ引きこもってた事すら、
瀬戸さんにしてみると、
それはいま現在の感覚でないから
言語化するのが難しいんでしょうね。
支援はほんとうに必要か
ぼそっと池井多 ガッツリ引きこもってる最中に、例えば
「買い物困ってるでしょ! ヘルプ必要ですか?」
って支援の人が来たりするのはどうですか?
瀬戸:そっちの方が嫌です!
それだったら本当に、何とかして自分で行く方がマシです。
それかネットスーパー…
ネットスーパーは本当は嫌なんです、
他人が来ちゃうから。
自分で深夜近くのスーパーに行って、
食材買い込んでという方が、できます。
ぼそっと池井多:よくひきこもり支援団体なんて言って、
どんどんひきこもりを訪問したり、
ひどい所になると、ひきこもりを引っ張り出して
仕事させようとする団体までいるようですけど、
そういうのは真っ最中のひきこもりに取っては迷惑ですよね。
瀬戸:迷惑っていうか…。
そういう事を、もしあたしがされたとしたら、
逃れるために死ぬしかない
って本気で思いかねない事です、本当に。
この人たちから、
この状況から逃れるためにもう死ぬしかないって。
本気で多分、想像しただけで怖いです。
・・・「人とつながれない私(8)」へつづく