VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

殴られ続ける私(99)孫ができても、まだ親にならない

殴られ続ける私(98)」からのつづき・・・

 
ぼそっと池井多 お話をうかがっていますと、
 とにかくウツコさんの夫にあたる方は、
 九州の山の中にある自分の実家に、
 「貢ぐ」という表現が妥当かどうかわかりませんが、
 自分の収入のほとんどは送ってしまって
 自分の妻子が生活保護寸前の貧困状態であっても
 まったく意に介しない、
 ということのように聞こえてきます。

ウツコ まあ、それは夫本人に
 「親には大学を出してもらった」
 という御恩があったからでしょうね。

ぼそっと池井多 夫さんは、遠く離れた実家のなかでは
 いまでも「長男」であって、
 長男としての役割を果たすために、
 いまでも収入のほとんどは実家に送ってしまうのでしょうか。

ウツコ それはあるでしょうね。

ぼそっと池井多 親に対して長男としての役割が第一であって、
 自分が作った家族のなかの父としての役割は
 二の次、三の次というわけ?

ウツコ そこはわかってないんだと思います。

 自分が親から愛されて育っていないから、
 自分が家族を持って、親として愛することが
 できないんじゃないかなあ、と思って。

 ふつう、子どもが三人にもなったら、
 「お父さん」
 という役割が何だか考えないといけないけど、
 自分の親に対してはほんとに服従的だけど、
 私たちに対しては自分本位だから、
 なんか妻と子どもたちは
 他人みたいな感じですよね。

 「ちゃんと働いて、お前たちを養ってきた」
 みたいなことを言いますけど、
 私からしたら、全然そんな感じじゃなくて……

 夫はお酒が好きで、
 飲むたびにいろんな昔話を聞かされたりするんですけど、
 それを聞いてると、

 「自分は親にしてもらったことがいっぱいある」

 という話ばかりするんですね。

 でも、それは本人はそれを
 自分の子どもにはやっていない。

 なんか、
 すでに孫もいるのに
 夫はまだ親になっていない、
 っていうか
 
 とにかく自分が天下で、
 なんでも自分の思うようにならないと腹が立つ。
 腹が立つと、暴力になる。

 わたしがちょっと、
 「それ、ちがうんじゃないの」
 みたいなことをいうと、
 すぐ手が出る。

 最近は年取ってきたので、
 手は出なくなってきたけど、
 言葉の暴力とか。

 ……。
 ……。
 
 
 
・・・「殴られ続ける私(100)」へつづく
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