VOSOT ぼそっとプロジェクト

ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

殴られ続ける私(102)暴力夫の死後に困ることはる

殴られ続ける私(101)」からのつづき・・・

 
ウツコ 今いちばん心配なのは、
 夫が亡くなった時どうしようかっていうことです。

ぼそっと池井多 ウツコさんはずっと
 夫さんの暴力で悩んで生きてきているのに、
 それでも夫さんが亡くなった時は、 
 どうしようかと思いますか?

ウツコ どうしようか、というのは、
 どうしていいかわかんない、ということです。

 私は、夫が死んだら、そのことを
 夫の弟たちには知らせないでおこうかって
 企んでいるんですよ。

 できるかどうか、わかんないですけどね。

 夫の実家に自然に知れ渡ったら、
 もうあとはなるようになるしかないでしょうけどね。

 いまは夫の実家も、
 夫の父も母も亡くなっていて、
 夫の弟の時代になっているんですけども、
 知らせたら知らせたで、さっそくやってきて、
 あれこれかき回されるのではないか、と。

 いま本人は、「弟と話したい」とかいって、
 ときどき実家に電話したりして、
 まだつながってはいるんですけどもね。

 あと、向こうは田舎なものですから、
 なんかお米を送ってもらったり、
 交流をしているようなんですけども。

 いまは家族葬っていうのが流行ってますから、
 夫の親戚に知らせずに、
 なんとか家族だけでこじんまりでできないか、
 と考えておりまして。

ぼそっと池井多 よく

 「夫が亡くなったらどうしよう」

 というのは、

 「夫が亡くなったら、妻である私は
 さびしくてやっていけないから、
 それでどうしよう」

 といっている、というのがよくあるパターンですが、
 ウツコさんの場合はそういう悩みではなく、
 夫が亡くなった時に、
 いかに夫の実家に知らせないで
 葬式から法事から何から済ましてしまえないものだろうか、
 という悩みだ、
 ということですね。

ウツコ 夫が死んだら、お葬式とか法事とか
 しなければいけない行事をこなすのに、
 私はいったいどうしたらいいんだろう、って
 悩んでるってことです。

 夫の田舎では、
 それを夫の弟たちに知らせないことは、
 すっごい大きなことなんですね。

 実家に知らせないでできるかな、
 とか思いつつも、ほんとは、
 知らせないで(夫の葬式を)やってしまいたいな、
 とか、いろいろ悩んでまして。

ぼそっと池井多 夫さんが亡くなった後、
 さびしいとか、生活不安とか、
 そういうことは考えますか。

ウツコ 夫が亡くなってさびしい、
 ということはないでしょう。

 いろいろな手続きをどうする、
 っていうことは考えますけど。

 でも問題は、
 こればっかりはどちらが先かっていうのがわからない
 っていうことがあります。

 夫は、健康に対してすごく敏感で、
 朝の運動とかやってるみたいだし、
 私は、運動不足だし。

 食べるものも、夫のほうは
 お野菜とかシャキッと摂っていて、
 私はあんまり摂れてないとかね、
 そういうことがありますので。

 だから、もし私が先だったときは、
 もう私はいないから
 いろいろ考えないでいいってことがありますね。

 でも、私が残されたときは、
 自由になれるかな、
 っていうことはあります。
 「心的(こころてき)」に。

 生活はどうなるか、まだちょっとわからないけれど。

 でも、それも、なんとかなるんじゃないかな、
 と思ってます。
 ちょっと楽観的すぎるかもしれませんが。
 
 ……。
 ……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
All Right Reserved (C)VOSOT 2013-2020